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2011年10月25日

『竹富方言辞典』菊池寛賞受賞!

『竹富方言辞典』菊池寛賞受賞!


前新透著『竹富方言辞典』が第59回菊池寛賞を受賞しました。去る10月19日に発表になりました。受賞理由は次の通りです。

「前新透氏が二十七年の歳月をかけて採集した方言を収録し、日本最南端の出版社から刊行されたこの辞典は、琉球語と日本語の古層、民俗を研究するための貴重な文化遺産である」

著者の前新透先生は、今年数え88歳。米寿のお祝いに大きな賞が花を添えてくれました。記者会見で「大和にまで評価されるとは」と驚き、嬉しさを隠しきれない様子でした。受賞式に参加するのだと、最近は近所をゆっくりゆっくり散歩して足腰を鍛えています。

ところで今年2月の出版以来、ことあるごとに「小さな島の大きな辞典」をアピールしてきました。しかし、私たちもまさか菊池寛賞のような大きな賞をいただくことになろうとは夢にも思いませんでした。まさにホンモノの「大きな辞典」になった? 大きな喜びです。

それにしても、よくぞこんな日本の片隅で生まれた出版物を見つけてくださったものと感激です。ちなみに、去年の新刊書籍は74714点だったそうですから、星の数ほどあるそのなかから、『竹富方言辞典』を見つけてくださったその方に感謝です。

そして、よくぞ光を当ててくださった。地道にコツコツと積み上げてきたこれまでの私たちの仕事の全体が評価されたような気もして感無量です。これからも頑張ってと神様に尻を押された感じです。ありがたい。

じつは菊池寛賞にかかわるのはこれで2度目です。大宅壮一文庫が1982年に第30回菊池寛賞を受賞したとき私はそこの職員でした。あれから30年目にふたたび同じ賞にかかわるとはこれまた不思議な縁を感じます。東京と八重山で。

私たち南山舎は「八重山応援団」を自認しています。地元で多くの人たちといっしょに八重山に声援を送っています。そこに外からの応援が加われば勇気百倍です。お世話になっているみなさまに感謝し、改めて、今後ともどうぞよろしくお願いします。

(写真は10月19日、南山舎での受賞記者会見の様子。中央前新透氏、右・編著者の高嶺方祐氏、左・編著者の入里照男氏、)

竹富方言辞典




この記事へのコメント
菊池寛賞おめでとうございます!
ホントにホントに良かったです。嬉し涙です!
八重山のそれも竹富島の言葉の辞典。採算度外視の素晴らしい出版です。本土の大手出版社も南山舎のツメのアカを煎じて飲むべきです。願わくは言葉が化石とならず、生活の場で息づいてほしいものです!
来月の種取祭、盛り上がりますね!竹富は不滅です。そして八重山も!!
Posted by いと at 2011年10月28日 09:22
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